動画圧縮の基本とおすすめツールまとめ|容量を小さくして共有をスムーズに
- 一生 山口
- 10月8日
- 読了時間: 9分

動画をメールで送れない、アップロードに時間がかかる——そんな悩みの多くは「容量の大きさ」に原因があります。この記事では、動画圧縮の基本知識とおすすめツールをわかりやすく解説。解像度やビットレートの調整方法から、PC・スマホで使える圧縮アプリ、さらに圧縮を省略できる共有方法までを網羅します。業務やSNS運用で動画を扱う方に役立つ、実践的な内容です。
目次
1. 動画圧縮の基本を理解しよう 2. 編集で容量を減らす:不要部分のカットと音声削除 3. コーデックとGOP設定を使った「高圧縮・高画質」化 4. PCで使える動画圧縮ツール 5. ブラウザで使えるオンライン圧縮サービス 6. スマホで動画を軽くするための事前対策 7. スマホ向け動画圧縮アプリ 8. 圧縮せずに共有できる「URL型ワークフロー」という選択 9. 効率よく動画を扱うためのまとめ
1. 動画圧縮の基本を理解しよう
動画容量を小さくするためには、まず「どの要素が容量を増やしているのか」を知ることが大切です。動画のデータ量は主に 解像度・ビットレート・フレームレート の3つで決まります。これらを理解すれば、画質を維持しながら容量を最適化できます。
解像度 は映像の密度を表し、高いほど画質が向上しますが、容量も大きくなります。SNS投稿や社内共有用など、用途に応じてフルHD(1080p)からHD(720p)へ下げることで、データ量を半分以下にすることも可能です。
ビットレート は1秒あたりのデータ量を示し、映像と音声で個別に設定できます。特に映像ビットレートを調整することで、画質を大きく損なわずに容量を削減できます。
フレームレート は1秒間のコマ数で、再生の滑らかさに関係します。30fpsが一般的ですが、社内資料や解説動画であれば24fpsでも十分自然に再生されます。
2. 編集で容量を減らす:不要部分のカットと音声削除
圧縮ツールを使う前に、動画の中身を整理することも大切です。意外と多いのが、不要なシーンや無音部分が容量を圧迫しているケースです。
まずは、編集時に不要な部分をカットしましょう。単純なトリミングだけでも、圧縮しなくても容量を減らすことができます。
また、BGMや環境音などが不要な場合は、オーディオトラックを削除するのも有効です。音声データを消すだけで数十MB~数百MBの削減につながる場合もあります。
撮影段階や編集段階でこうした整理をしておくことで、アップロード時間の短縮や共有トラブルの防止にも役立ちます。
3. コーデックとGOP設定を使った「高圧縮・高画質」化
画質を保ちながら容量を減らすために重要なのが、圧縮技術(コーデック)の選択です。
コーデックとは、動画データを圧縮・展開する仕組みのこと。代表的なものには「H.264」と「H.265」があります。H.264は広く利用され、互換性が高く安定しています。一方のH.265は、同等の画質をより小さなファイルで再現できるのが特徴です。
また、GOP(Group of Pictures)の設定値を高くすると、圧縮効率が上がります。視覚的な劣化を最小限に抑えつつ容量を小さくできるため、映像品質とファイルサイズのバランスを取りたい場合に有効です。
4. PCで使える動画圧縮ツール
しっかりとした画質を保ちたい場合は、インストール型ソフトが安心です。処理速度や細かい設定ができるため、業務利用にも向いています。
VideoProc Converter

多機能な動画編集・変換ソフトです。無料版では最長5分までの動画を処理可能で、1,000種類以上の動画・音声形式に対応しています。画質を保ったままファイルサイズを小さくでき、CPUへの負担を軽減しながら変換時間を大幅に短縮できます。
無料版では「5分以内の動画・音声・DVD変換」「動画圧縮・編集」「画面録画(ウォーターマーク付き)」が利用可能。 製品版にアップグレードすれば、これらの制限が解除され、すべての機能を使うことができます。
PowerDirector

AI機能を搭載した高性能な動画編集ソフトです。3か月ごとにアップデートが行われるため、常に最新の動画フォーマットに対応しています。
「無料体験版」と月額558円から利用できるサブスクリプションプランが用意されており、用途に応じて選択可能です。 近年のアップデートでは、「自動字幕生成」や「音声修復アシスタント」などの新機能も追加されています。
Any Video Converter

Any Video Converter ほとんどの動画形式に対応する汎用性の高いツールです。画質をほとんど劣化させずに、ファイルサイズやビットレートを約半分に圧縮できます。不要な部分のカット編集も可能です。無料版と有料版がありますが、両者の違いは主に「DVD変換」や「録画機能」の有無。圧縮やカットの利用だけであれば、無料版でも十分に対応できます。
5. ブラウザで使えるオンライン圧縮サービス
ソフトをインストールせず、ブラウザ上で手軽に使えるのがオンライン圧縮サービスです。簡単な操作で容量を減らせるため、時間をかけずに処理したいときに便利です。
VideoSmaller

VideoSmaller ファイルを選んで「動画をアップロード」をクリックするだけで圧縮が完了します。最大500MBまでの動画を処理でき、PCはもちろんスマホからの利用も可能です。
通信環境や動画の長さによっては、処理に時間がかかる場合もあります。
OnlineConverter

OnlineConverter 「AVI」「MOV」「MPG」「WMV」「WEBM」など、さまざまな動画形式への変換に対応したオンラインツールです。 ローカルからファイルをアップロードするほか、DropboxやGoogle Driveと連携してクラウド上の動画も変換できます。 動画だけでなく、画像を「PNG」「JPG」「GIF」などの形式に変換することも可能です。
Googleフォト

Googleフォト Googleフォトの「保存容量の節約」機能を使うと、1080pを超える動画を自動的に1080p(高画質)へ変換して保存できます。 この機能は1日1回まで利用可能。1080p以下の動画では見た目の違いはほとんどありませんが、字幕などの一部情報が失われる場合があります。
アップロードした動画によっては圧縮されないケースもありますが、Googleアカウントさえあれば無料で利用でき、共有もしやすいのが特徴です。
・Online UniConverter

Online UniConverter 「圧縮だけを手軽に行いたい」という方に最適なオンラインサービスです。
元の画質を保ったまま透かしなしで圧縮でき、無料で利用可能。ローカルファイルだけでなく、DropboxやGoogle Driveからの直接アップロードにも対応しています。
・youcompress

youcompress MP4動画の圧縮に特化したオンラインツールです。ファイルをアップロードしてボタンを押すだけで、無制限・透かしなしで利用できます。 新機能として、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeファイル圧縮にも対応しました。

compresss.com MP4、WEBM、MOV、MKV、WMVなど、幅広い形式の動画を圧縮できるオンラインサイトです。
動画だけでなく、音声データやWeb関連ファイルの圧縮にも対応しており、マルチメディアファイルの軽量化をまとめて行いたい場合に便利です。
・Zamzar

Zamzar 50MBまでの動画を無料で変換できるオンラインツールです。MP4、MOV、MKV、WEBM、AVI、FLVなど多様な形式に対応しています。 より大きなファイルや大量の動画を変換したい場合は、月額課金プラン(ドル建て)を契約することで制限を解除できます。
6. スマホで動画を軽くするための事前対策
撮影時の設定を工夫するだけで、後からの圧縮作業を大幅に減らせます。
カメラ設定で解像度を下げる:ビジネスやSNS用途では1080pで十分。
LINEの「自分用トーク」活用:動画を送信すると自動で圧縮・リサイズされ、簡易的に共有できます。
標準アプリでトリミング:不要部分を削るだけで数十%の容量削減が可能です。
このように「撮る前」「編集前」に意識するだけで、データ管理が格段に楽になります。
7. スマホ向け動画圧縮アプリ
iPhone・iPad向け
かんたん動画圧縮-リサイズやファイル形式の変換

かんたん動画圧縮-リサイズやファイル形式の変換 解像度とビットレートを指定して動画を圧縮できるアプリです。圧縮前後の映像を1画面で比較できるため、画質の劣化を確認しながらストレージ整理ができます。
Pro版では、再生時間や動画サイズで一覧表示ができ、容量の大きい動画をすぐに見つけられます。圧縮前後の動画を同時再生できる機能もあり、比較がよりスムーズです。
リサイズ動画圧縮 -動画編集アプリ サイズ変更 ギガ節約

リサイズ動画圧縮 -動画編集アプリ サイズ変更 ギガ節約 動画をリサイズしてファイル容量を削減するシンプルなアプリです。
端末のストレージや通信量の節約に役立ち、各SNSに最適化された解像度プリセットも搭載。SNS投稿を頻繁に行うユーザーに適しています。 ただし、3GBを超える大容量ファイルではアプリが強制終了する場合があるため注意が必要です。
動画変換/動画圧縮 ‐ Video Converter

動画変換/動画圧縮 ‐ Video Converter 受け取った動画の形式が端末で再生できない場合などに便利なアプリです。 動画のフォーマット変換やリサイズを簡単に行うことができ、共有や編集の前処理にも適しています。
Android向け
パンダ動画コンプレッサー:操作が簡単でリサイズも可能。画質を保ちながら容量を削減できます。

YouCut:編集機能が充実。SNS投稿やYouTube向けの動画制作にも対応。

動画変換と動画圧縮:複数の形式に対応し、変換・圧縮・トリミングを一括で行える万能アプリです。

8. 圧縮せずに共有できる「URL型ワークフロー」という選択
最近は、動画をファイルとして送るのではなく、URLで共有する仕組みを採用する企業も増えています。たとえばLetroStudioのようなツールでは、制作した動画をURLで共有し、ブラウザ上で再生できる仕組みを提供しています。
書き出し後に発行されるURLを共有するだけで、相手がダウンロードせずに確認できる。
ファイルの互換性や容量制限を気にせず、複数人での確認がスムーズになる。
圧縮や再送の手間を減らし、コミュニケーションコストを下げることができる。
LetroStudioに限らず、こうした共有型のワークフローを導入することで、「送る」「開けない」「重い」といったトラブルを回避でき、動画共有の効率が向上します。
9. 効率よく動画を扱うためのまとめ
動画の容量を減らす方法は、「撮影設定」「編集」「圧縮」「共有」という4つの段階で考えるのがポイントです。
撮影段階で解像度を下げ、不要な部分をカットし、用途に応じて圧縮ツールを使い分けることで、ファイルサイズを最適化できます。さらに、URL共有やクラウド再生型のツールを取り入れれば、圧縮そのものを最小限にしながら、より快適な動画管理が可能になります。
業務効率を高めたい方は、まずは現在の共有方法を見直し、どの段階で容量を減らすのが最も効果的かを確認してみてください。






